職場で手放した「いい人ルール」

職場でずっと「いい人」でいようとしていた時期がある。

頼まれたら断れない。「忙しい?」と聞かれても「大丈夫です」と言う。困っていそうな人を見かけると、自分の仕事を後回しにしてでも助けに行く——

それが「いい人」の条件だと、どこかで信じていた。

でも正直に言うと、消耗していた。毎日じわじわ、確実に。

「断る」ことが最初の変化だった

ある日、どう考えても自分のキャパをオーバーしている仕事を頼まれた。

以前の私なら「なんとかします」と引き受けていた。でもその時はっきり言えた。

「今はちょっと難しいです、すみません」

……世界は終わらなかった。

相手はそっか、と言って別の人に声をかけた。私のデスクには静けさが戻った。それだけだった。

できないことを「できない」と言う。たったそれだけのことが、こんなに自分を守ってくれるとは思っていなかった。

「小さく引き受けて、期待を超える」作戦

断ることを覚えた一方で、あることにも気づいた。

全部断ればいいわけじゃない。大変そうな仕事でも、少しだけ引き受けて、その分だけ丁寧にやり切ると——周りの反応がまるで違う。

「思ったより早かった」「助かった」「さすが」

大げさに聞こえるかもしれないけど、周りの態度って変わるものだ。こっちが無理してる時より、ちゃんと選んで引き受けた時のほうが、信頼される気がする。

引き受けすぎると、どれも中途半端になる。でも選んで引き受けると、一つひとつに集中できる。

そして、自分も勉強が必要だと気づいた。「なんでも引き受ける人」より、「これなら任せられる人」のほうが、長く働き続けられる。

「いい人」をやめたら、仕事がしやすくなった

不思議なことに、断れるようになってから——職場が楽になった。

以前は「また何か頼まれたらどうしよう」と、常にどこかで構えていた。今はそれがない。

頼まれたら判断する。引き受けられるなら受ける。無理なら断る。ただそれだけのルールで動いていい、と思えるようになった。

「いい人」って、誰のためだったんだろう、と今は思う。

相手のため、と思っていたけど——実は、「嫌われたくない」「空気を壊したくない」という自分のための鎧だったのかもしれない。

手放してみると、意外と軽い

今も職場での人間関係が完璧なわけじゃない。断った後に少し気まずい空気が流れることも、もちろんある。

でも以前のように「消耗しながらいい人を演じる疲れ」はない。

できることをできる範囲でやる。それで十分、職場は回っている。

あなたも「いい人ルール」に縛られていませんか? 一度だけ「今は難しいです」と言ってみると、意外と世界は変わらないかもしれません。

Written by エル

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